
しばらくの沈黙期間を経て、自らのレーベルを始動させた山本達彦の2年半ぶりとなるオリジナル・アルバム。作詞に松井五郎、吉本由美、中堀美保子を迎えて、全曲の作・編曲を自ら手掛けている。
やはり久々のオリジナル・アルバムをリリースしたスティーリー・ダンを想わせる緻密なアレンジに乗せた歌声には、良い意味で変わらぬロマンティシズムと、成熟した大人の余裕の両方が感じられるのが印象的。オビにもあるように、分類するならAORということになるのだろうけど、単なる“商品”としてのAOR ではなく、もっと切実な自らの音楽的な表現が依って立つ“基準”としてのAORサウンドが感じられる。収められているすべてのサウンドに、そして声に“重厚な軽み”とでもいうべき味わいが感じられる。十数年前から彼のファンだった人たちはもちろん、今AORサウンドに惹かれている人にも聴いてもらいたい作品だ。 (鈴木祐) --- 2000年05月号(Amazon.co.jp / 「CDジャーナル・レビュー」より)
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